3月の勉強会は「認知症」伝達講習その2です
皆さんはご飯を食べていないというご利用者様がいた場合、どのように伝えますか?
例えば「さっき食べましたよ」
よくある台詞で現場の人なら経験あると思いますが、これではほぼ納得されません
「食べている写真を撮って見せる」なんて事も聞いた事がありますが
きっと「これは自分ではない」と言われているのではないでしょうか
実はまだ食べていないと言われる方は、お腹が減って言っているわけではなく
「この場所にいてご飯は出るのだろうか」
「覚えがないから私だけご飯がもらえていないのではないか」
といった不安に駆られて言われているケースがあります
そんな時に身に覚えのない「さっき食べた」と言われると
言われた側は「何この場所、怖い」「嘘をつかれた」と思い、更なる不安が募ります
前回もお伝えしましたが、認知症という病気は「不安」との戦いです
いかに現在抱えている不安を理解し、寄り添えるかが鍵となります
ご飯を食べていないと言われた場合、
「そろそろお腹空きましたね。私もまだなのでご飯が炊けたら一緒に食べましょう」
と伝えると、安心されるケースがあります
ご飯を食べていない事を「理解」し、一緒に食べようと「寄り添う」思いを伝えます
もちろんこの方法でも納得されない場面は多いですが
「理解」と「寄り添う」ことを忘れなければ、次にかける言葉も自ずと
「どうしたら安心してもらえるだろう」と優しいものになります
何度も同じ事を言われ、伝えても逆に怒られイライラ・・・
こんな悩みを抱えているご家族や職員の方は、まず自身の考え方を直す所からです
ただしこれが中々に直りません。特に身内の方はすぐにイラッとしてしまいます
これは「あんなしっかりしていたのに何でこんな事に・・・」
と受入れられないケースや
「またこんな訳の分からない事を言って恥ずかしい!」
といった身内ならではの思考になるからです
この病気を「理解し受入れ寄り添う」
言うは簡単ですが365日休まず対応している方からすれば大変な事です
しかし認知症である方が安心できると、ご自身の安心にも必ず繋がります
心穏やかに過ごす事ができれば、悪化を予防し寿命も延びるといわれています
なるべく優しい対応を心掛け、どうしても辛くなった時は
我々のような在宅生活支援の存在を頼ってください
皆で相談しながら、認知症という病気に一緒に向き合っていきましょう
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