声なき声を拾う技術

4月の勉強会は「認知症ケアについて」でした

「認知症」は一昔前までは「痴呆」と呼ばれ、人にあらずの扱いを受けてきました

近年では少しずつその理解が得られてきましたが、

それでも一度染まった人の認識を変えていく事は容易ではありません

特に普段から関係のある認知症の方の身内や介護・医療現場では

未だに間違った対応が行なわれていることがあります

認知症の研修でたびたび言われることは

・認知症はただの病気である

・行動には意味がある

この2つです。

認知症の方の行動を表現する際に「帰宅願望」や「不穏」といった言葉を

未だに耳にしますが、これらは正しくはありません。

だって皆さんも外出先でする事がなかったら、もしくは日が暮れてきたら

お家に帰りたくなりますよね?帰ってからも家事をしないといけません。

それを願望と言うでしょうか?

人間理由なく機嫌が悪い人はそうそういません

それなのに「不穏なので行動注意です」の一言

もし知り合いにそんな事を言われたら、誰だって傷付きます

一人の人間として、ちゃんと見る事が出来ていたら出てこない言葉ですね

帰りたい理由、機嫌が悪い理由や原因をうまく伝えられない・・・

そんな病気が「認知症」です

支援する人がその事を理解していなければ

「言うことを聞かないわがままな人」としての支援に、

深く理解し寄り添うケアが出来ていれば

「不安を抱え悩んでいる人」として支援出来ます

声に出来ないからこそ、置かれた環境下で何が原因で

どんな思いでいるのかを引き出し解決できる

そんな考え方や支援が出来るよう、これからも学んでいきます

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