高次脳機能障害その2

9月の勉強会は1月に行った「高次脳機能障害」について、

スタッフの多くが関わり方について悩んでいたので

更なる理解を深めるために復習しました

前回お伝えしたようにこの障害の症状は認知症と非常によく似ていますが

全く同じ、という訳ではありません

違う点としては

・事故や病気により発症時期が明白

・進行性ではないのでリハビリにより改善の可能性がある

・年齢により発症率が上がるものではない       ・・・などです

ただこの年齢による所がこの障害の難しいところでして、

若いのに認知症のような症状が出る。

ということは働き盛りの年齢で発症する人がいます

社会に出ているという意味ではその苦しみは通常の認知症よりも

精神的にかなり辛いものになります。なぜなら周りに障害への

理解がなければ突然おかしな行動をとりだした人に見えるからです

寡黙で真面目だった人が突然大声で笑ったり怒ったりすれば誰だって驚きます

よってこの障害は周囲の理解力でご本人のQOL(生活の質)が大きく変わるといえます

何故なら症状と対応方法を学習しておけば、冷静な判断・行動に繋がるからです

例えば

 

●「少し前の出来事や予定を忘れてしまう」

「何度も同じことを言う、同じ間違いをする」

こちらに対しては認知症と違い、落ち着いた時に説明すれば本人も納得できるので

「スケジュール帳や日記をつける」

自分で記録・確認してもらい思い出すきっかけや環境を作ると解決することがあります

 

●「仕事や作業が長続きしない」「音や話し声で気が散り、作業の間違いが増える」

こちらは集中できる環境を整えることが効果的です

「一度にひとつのことだけを行なう」「深呼吸する習慣をつける」など

 

●「突然怒る、大声で話す」

こちらは感情が落ち着くまで過干渉をしないことが重要です

「話題を変える」「話を否定せずに一度周囲から退席し落ち着ける場所に移動する」

 

このように、支援する側が環境を整えるお手伝いをすることで

ご本人が安心して生活を送ることが出来ます

ご家族にも情報を共有し対処方法を知っていただくことが

家庭内でのトラブルの解決の糸口になるかもしれません

もし皆さんの周りにこの障害で困っている方をみかけたら

ぜひネットや本で高次脳機能障害について学び、関わってみてください

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